苗万坂(恩田町)の庚申塔・馬頭観音・道祖神
桂台二丁目の南端にある商業施設、横浜青葉ガーデンです。
元々ここは雨水調整用の桂台遊水池でしたが、その上に蓋をして商業施設が立ち並ぶようになりました。繁盛するのか微妙な立地でしたが、様々な店が入れ替わり建ち替わりながらも、とりあえずやっていけてるみたいです。
ここを境に東側は住宅街、西側は田んぼと畑です。
150mほど西側に進んだところから田んぼの中に入っていくと、尾根の麓で内田の庚申塔の辺りから続く道に突き当たります。
その突き当たりのところに小さな石仏が佇んでいます。
恩田町2290番地の一角にある道祖神と思われる石仏です。
道祖神
正面: (坐像)
風化と損傷が激しく、何が彫られているのか分かりません。胴体より下はほとんど欠落していて、コンクリートで補修されています。
近くで農作業をしていた方に聞いてみたところ、道祖神ではないかということでした。
この少し先にも石仏があるんだよという情報を聞いて、この道を北東へ100mほど進みます。恩田町2287番地の一角です。
道の左側にコンクリートで四角く覆った窪みがあります。
中に2体の石仏がありました。
こうして見るとかなり堂々と置かれているのですが、今まで何度もここを通っていて全く気づきませんでした。
馬頭観音(右)
正面右: 安政二卯年
正面中央: (馬頭) 馬頭観世音
正面左: 十一月吉日
左側面: 施主 (氏名1名)
庚申塔(左)
右側面: 明和五子年 九月吉日 武州恩田村 講中 (氏名5名)
正面: (日・月・青面金剛立像・邪鬼・三猿)
左側面: (壁に接近しているため未確認)
右側に置かれているのは安政2年(1855年)の馬頭観音です。
馬頭観世音という文字の上に、少し風化と欠損がありますが、馬頭と思われる造形があります。
左側に置かれているのは明和5年(1768年)の庚申塔です。
顔の部分が欠損して補修されていますが、邪鬼の上に立った青面金剛です。刻まれている氏名から見て、この辺りの集落で構成した講で立てたものと思われます。
どちらも石仏も、このコンクリートの覆いがある場所の家の方が大切に手入れしているそうです。
これら2体の石仏のほかに、陶器のような素材でできた謎の像がいくつか一緒に置かれています。100年もしたらこの像も文化財的価値が出てきたりするでしょうか。
このメモをシェアする