庚申谷(恩田町)の庚申塔群

苗万坂の庚申塔・馬頭観音・道祖神と同じく、桂台二丁目の南端にある商業施設、横浜青葉ガーデンからスタートします。



横浜青葉ガーデンのすぐ裏にある尾根の頂上に庚申塔があるのですが、道路を歩いていて見かけるような立地ではないのであまり知られていないかもしれません。森の中にあって野仏の風情が溢れる、私個人的な好みで言えばかなり良い雰囲気の石仏群です。



横浜青葉ガーデンの西側から裏手に回っていくと、その途中に山の中へ続く階段があります。上の地図で庚申塔の場所へ続く細い線です。



何年か前まではこの右側の少し離れたところから崖を這うように登る小道でしたが、階段が出来たおかげでお参りしやすくなりました。

階段を上った先は頂上へ向かってまっすぐ登る山道になります。



こう見えてこの道は横浜市道恩田175号線という「道路」だそうです。道の脇に境界杭が確認できます。



とは言えこの辺りの山全体が基本的には私有地です。地元の方に聞いたところ、庚申塔がある土地は川戸の地神塔などと同様に、付近の数名で持っている共有の土地だそうです。



勾配が緩やかになってきたあたりで少し開けた感じになり、林の奥に石仏が見えてきます。恩田町2615番地の辺りです。



石仏は4体あります。そしてその4体全てが庚申塔という庚申塔の宝庫なのです。

この辺りの昔の地名が庚申谷だったというのも、この庚申塔群に由来するものだろうと思います。地名が谷でもここは山の頂上なので「庚申山」ですけどね。


庚申塔(左)

 正面: (青面金剛立像・二鶏・三猿)
 正面右: 御身軆庚申三猿
 正面左: 年号甲乙付月日
 正面下: (氏名7名)


一番左は青面金剛が彫られた庚申塔です。



年代は不明です。年代に関わりそうな文言として「年号甲乙付月日」と読める文字が刻まれています。「甲乙」という部分が一見干支に見えますが、甲も乙も干であり干と支の組み合わせではないので、年代を意味するものではないように思います。「ここに年号干支月日を刻みなさい」というテンプレートのようにも見えてきました。


庚申塔(中央左)

 正面: (日・月・青面金剛立像・邪鬼・三猿)
 右側面: 万延元庚申十二月吉日
 左側面: 武刕都築郡上恩田村


左から2番目は典型的な青面金剛セット一式の庚申塔です。



日と月の下に邪鬼を踏みつけた青面金剛が立ち、それらの下に三猿がいます。

万延元年(1860年)のものです。野晒しで置かれている割りに風化がなく、細かな彫刻がしっかり残っています。ここに置かれている庚申塔全体に言えることですが、かなり良い状態で保存されていると思います。


庚申塔(中央右)

 正面: (地蔵菩薩立像)
 正面右: 奉造立為庚申供養二世安楽也
 正面左: 元禄十天十一月廿八日 武刕恩田村同行九人


左から3番目は地蔵菩薩が彫られた庚申塔です。



元禄10年(1697年)のものです。

地蔵菩薩の庚申塔と言えば中恩田餓鬼塚の庚申塔のひとつも、地蔵菩薩が彫られたものでした。それは元禄13年(1700年)と年代も近く、刻まれている文言の使い方も共通点が多いので、何か関連があるかもしれません。


庚申塔(右)

 正面: 庚申塔
 左側面: 施主(氏名1名)


一番右は文字庚申塔です。



施主の氏名が1名だけなので、個人で建てたもののようです。年代は分かりません。

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